お勧め銭湯(北海道・旭川支部)

 あくまでも私の趣味というか独断と偏見というか・・・レトロという点を基準に厳選した7軒です。昭和中期(昭和30~40年代)の道北の雰囲気が味わえます。
 登録番号順にご紹介します(敢えて順位は付けません)。
 訪れるのが夜になることもあり(基本的に銭湯は夜の営業ですので・・・)、そのためいま一つの写真があります。銭湯の立地の関係上、全景を捉えた写真が撮れないこともあります。何とぞご容赦のほど・・・(可能なものは撮り直しました)。
 その他の銭湯もそれぞれに違った味わいがあります。是非訪れてみて下さい。


 なお、第12回 旭川・上川・美瑛銭湯スランプラリーに参加した銭湯は、台紙の紹介部分を転載させていただきました(北海道公衆浴場業生活衛生同業組合のHPの旧版のマップを含む加盟店紹介の旭川支部=消滅に備えてpdfで保存したもの)に掲載されているものとは登録番号が異なることがあります)。

 ← それぞれクリックで拡大(別ウィンドウで開きます)

登録番号 銭湯名 外観(写真) 住所及び見所(ネタバレしない程度に・・・)など
旭川3 こがね湯
住所:旭川市春光5条5丁目3-3
日 本陸軍第七師団の官舎があった古い住宅地にある、旭川市に唯一残る昭和初期~中期頃の簡素な平入り建築の小型銭湯(土間から直接脱衣所に上がる番台形式を 昭和期にフロント形式に改修した?)。薪で沸かしており周囲は薪が山積み。屋号入り暖簾と同じく屋号入りの上部の硝子窓をくぐり、さらに引き戸を開けて入 る。備え付けの木製下足箱があり、主に籐製の籠を使うが壁埋め込み型の木製の戸の脱衣ロッカーも一部現役。深&浅(薬風呂)の道北の標準型浴槽があり(ツ ルカメ製の大型の水カラン)、無料の小型の熱気浴(湿式サウナ)と小さな水風呂もある。内側しか水カランはない(押し手は様々)。関西タイプのケロリン桶 を使用。この地域には珍しく、小型(縦1.2m×横1.5m程度)ながら、男湯「湖畔の葡萄の木の下で遊ぶ3人の裸の男児」、女湯「2羽の白鳥が浮かぶ川 の流れる秋の風景?」の大判タイル絵がある(銘はない)。脱衣所にある昔の国鉄車両のような天井扇や広告付きの立方体時計はマニア垂涎もの。鄙びた味わい の地方銭湯である。 【2010.12.29】
旭川5 いこい湯
住所:旭川市5条通24丁目右15号
電 車通りの四条通りに近い比較的古い住宅地にある昭和19年創業の銭湯。正面を昭和モダンなフロント型に改造してあるが、後部は木造&茶色のトタン屋根の古 い簡素な造りのまま。浴室中隔壁上部は横長方形のガラスブロック壁。浴槽は外側縦配置で、手前から薬湯・バイブラ浴槽-タイルで飾られた作り付けの湯口と ツルカメの11/2の水カラン-ジェット2基の深浴槽・水風呂。正面奥が熱気サウナ(湿式サウナ)で、中に「滝壺脇から幅広の滝を見る2人の女性(女湯は 白樺林の中の湖から望む山々)」のモザイクタイル絵(縦約1.2m×横約1.5m)。カランは▽の押し手が主流で水の6つのみが宝。側面に浴場用と 書かれた関西サイズの白色ケロリン桶や緑のM字型椅子も使われている。籐製の籠、大きなモスグリーンの三枚羽根天井扇、おしどりの鍵で戸も木製の相当古い 脱衣ロッカー(残された鍵は少ない)、お釜型ドライヤー(女湯)が使われており、何と広告ボックスが現役(現地でご確認の程)と脱衣所はレトロアイテムの 宝庫で感涙を禁じ得ない。 【2011.2.27】
名寄1 日の出湯
住所:名寄市大通南10丁目
看板や暖簾がなければ事務所と間違えそうな簡素な外観の、名寄市に唯一残る中型銭湯(2階は自宅?/フロント形式に改修済)。下足は木製の棚に入れる(当 然鍵はない)。脱衣所(改修済)の入口には片開きドアがある。脱衣ロッカーは事務用品を利用しており、鍵は必要な場合のみフロントで借りる方式だがほとん ど誰も借りない(籐製の籠もある)。隅に三角形の湯口のある深~浅連続した道北では標準的な浴槽(ゲルマニウム鉱石風呂/水カランはツルカメ製の大型)と 小さな水風呂があり、熱気浴(湿式サウナ)も無料。中央の島には水カランがない。関西タイプのケロリン桶使用。男湯は「智恵文沼」で、女湯は「ピャシリ比 翼の滝」のオリジナルタイル絵(銘はない)は一見の価値あり。名寄駅からも国道40号線からも近く駐車場の心配もないので、旅の途中で立ち寄ってみてはい かがだろう。 【2010.9.18】


美深1 旭湯 住所:中川郡美深町大通南1丁目16               営業再開
道北地方の農家を思わせる簡素な外観の、美深町に唯一残る小型銭湯(特徴的な形状の金属製煙突)。小さな玄関からさらにドアを開けて入る。古い木製の下足 棚はあるが使われていない(靴は置きっぱなし)。番台形式のままの脱衣所。籐製の籠のみでロッカーはない。貫目表示の体重計がレトロ。トイレは後ろの居住 スペースにつながる廊下にある。二階への謎の階段がある(何に使われていたのかは不明)。浴槽は超小型(一畳程度)で小判型一槽式中央配置のこの地域の基 本形式(茶色に変色した古いTOAの大きな水カラン)。カランは内側と外側(鏡下部の広告が現役?)に5つずつの合計10しかなく(半分弱は珍しい滴状の 押し手)、向かって右上に白いプラスチックの道具置きがある。緑のM字型椅子と関西タイプのケロリン桶使用。駅前通りと国道40号線の交差点に位置し駐車 場の心配もないので(近くに町営の無料駐車場あり)、旅の途中で立ち寄ってみてはいかがだろう。 【2010.9.20】

下川1 日の出湯 住所:上川郡下川町幸町160             2011年12月31日廃業
下川町唯一の簡素な外観の小型銭湯。薪で沸かしており、脇の通りから背部に回ると大量の薪のストックがある。小さな玄関からさらに引き戸を開けて入ると三 和土から上がる簡素な脱衣所。下足棚付きの古い木製の低い番台。下部が下足棚の木板鍵のロッカーはあるが、貴重品入れサイズのため籐製の籠を使用。ヤマト 体重計、フジ自動マッサージ機、お釜型ヘアドライヤー(女湯)などレトロアイテムの宝庫。浴槽は超小型(1.5m×2.5m)で長方形一槽式中央配置のこ の地域の基本形式(ツルカメの大きな水カラン)。岩と木で造られた湯口の名残?あり。カランは内側及び奥側(シャワーなし)に6つずつの合計12しかなく (半分強は珍しい滴状の押し手)、鏡は一部のみにある。関西タイプのケロリン桶を使用。メルヘン調タイル絵(男湯は子鹿2頭/女湯はリスとウサギ)が珍し い。国道239号線沿いの集落中心部に位置し(信金の支店が目印)、駐車場はないが田舎町のため駐車の心配はない。旅の途中で立ち寄ってみてはいかがだろ う。 【2010.10.9】
上川1
鶴の湯 住所:上川郡上川町花園町123番地
上川町唯一の簡素な造りの小型銭湯(ほぼ昭和40年の創業当時のまま)。同町市街への道の石北本線の跨線橋の陰にある(上川駅から徒歩圏内)。三和土から 直接つながる簡素な脱衣所で番台は低い木製。籐製の脱衣籠を使用。女湯側に古い自動マッサージ機。排水溝が手前だけで使った湯水が床を流れる。外側小浴槽 は埋められ内側大浴槽は前面壁が削られ浅くなっている(背面の湯口は滝の如く流れ落ちジェットは廃止)。内側のカラン5つの水の押し手は屋号に因んだ鶴の デザイン。水が出ないため桶&椅子置き場化した4つ&4つの島の水の押し手は「水と彫られた金属製レバー」(一部は同タイプの「ゆ(湯ではない!)」)。 彫りがやや雑(手作り特注品?)で曲がったものも・・・。ペンキ絵代わりのプロの作品ではない同町観光名所の油絵風パネル。関東サイズ屋号入りオリジナル 黄色ケロリン型桶使用(君の湯のものが混入)。国道39号線沿いの民家の壁の看板の記載に倣い、旅の疲れを癒しにお立ち寄りください。16:00~18: 30のみの営業ですのでご注意。 【2011.7.3】
富良野2
福乃湯 住所:富良野市西麻町2-30
富良野市に唯一残る簡素な造りの銭湯(ほぼ昭和46年10月の創業当時のまま)。屋号入りオリジナル暖簾を潜ると簡素ながら美しいタイル壁の玄関。古い木 製引き戸の三和土から直接つながる脱衣所。小さなアルミ板鍵の下足箱か下足棚を使用。脱衣所の古ぼけたビールの広告パネルは創業当時のもの。番台は簡素な 木製。木彫りの熊や風景写真が北海道らしい。籐製の脱衣籠や小さなアルミ板鍵の中央壁一体型木製ロッカー使用。鏡に地元企業・商店の広告。フジ自動マッ サージ機あり。浴室中隔壁上部が洒落た柄のガラスブロック壁。中央縦配置で手前側が浅い1槽式浴槽(手前側中央にパイプの湧き出し口・左奥側に大きな水バ ルブ)。カランは外側8つと内側7つで押し手が宝。男女とも小さなスイス風モザイクタイル絵あり。関西サイズの黄色ケロリン桶と側面に浴場用と入った白ケロリン桶を使用。公定料金より安い(大人370円・中人130円・小人70円)。富良野駅裏の古い住宅地に位置し広い駐車場もあるので(富良野東中近く)、旅の途中で立ち寄ってみてはいかがだろう。 【2011.7.2】